今期のインフルエンザの流行について、新型コロナウイルスとの関連も含め、考察してみました。

昨シーズンは新型コロナウイルス(COVID-19)が流行し、インフルエンザは流行しませんでした。
その理由として、マスク、手洗い・手指消毒、3密を避ける、大声での会食を避ける、外出を避ける等の感染症対策が奏功したという説がありますが、一つのウイルス感染症が流行すると、ほかのウイルスが流行しにくくなる、ウイルス干渉も関係しているのではないか、とも言われています。

日本での今期のインフルエンザの流行を諮るものとして、夏場の南半球でのインフルエンザの流行と、東南アジアでの流行が参考指標として上げられます。
南半球ではこの夏、インフルエンザは流行しませんでしたが、インドなどでは4月~6月の新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行後、夏場にインフルエンザが散発的に流行しました。そしてほぼそれに平行して、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が収まってきています。しかし新型コロナウイルス(COVID-19)により、明らかになっているだけでも約3,400万人の感染者に対して45万人近くの方が亡くなっています。ちなみにアメリカでは約4,400万人の感染者に対して70万人超が亡くなっていることを考えると、死因が新型コロナウイルス(COVID-19)によるものと確定できない例がその数倍いるのではないか、とも言われています。

それはともかく、現時点でもし日本にインドのインフルエンザウイルスが流入してきたら、新型コロナウイルス(COVID-19)のデルタ変異ウイルス(インド型)ではありませんが、大流行する危険性もあります。

それを考えると、昨年、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行のため、例年ならワクチン接種するところを医療機関へ行くことを控えたため、接種しなかった方は特に今年は接種することをお勧め致します。インドのように新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が治まってきたら、なおさらインフルエンザに注意が必要と思われます。
ただ、高齢者のインフルエンザワクチン接種が、コロナ感染と重なることを懸念して無料となった昨年と違って、今年は1,500円の手出しが必要となった上に、昨年流行しなかったこともあり、ワクチン接種を希望しない方がけっこういらっしゃるようです。

しかし流行していない翌季は社会全体としての抗体保有率が低下しているので流行する可能性が強く、日本感染症学会では「2021-2022年シーズンもインフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨」しています。
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まだ新型コロナワクチン接種が2回終了していない方は、早めに新型コロナのワクチン接種を行い、2週間以上間隔を開けて、インフルエンザウイルスワクチン接種を行うと良いでしょう。その為にも10月中に新型コロナワクチン接種の2回目を終了し、11月中にはインフルエンザワクチン接種を行うようにしていただくと良いのではないでしょうか。

それにしても今年は、新型コロナウイルスのブレークスルー感染も考慮した診療を行わなければならず、ワクチン接種により症状が軽く、通常なら「熱が半日くらい続いていたらインフルエンザの検査しましょう」となるところが、「熱はたいしたことないようなので、インフルエンザ検査の前に新型コロナの抗原検査をしましょう」となるのでしょうか?
新型コロナウイルスの抗原検査は、インフルエンザもそうですが、その時点で他人に感染させる可能性があるかどうかの判断として、無症状でも感染させることがある新型コロナウイルスを先に確認する必要があるのかも知れません。同時検査キットが出てはいるものの、保険診療では同時に検査しても、保険診療出来るのは片方のみという縛りがあるので、同時検査キットが普及するかどうかは疑問です。

ワクチン接種により、発症を完全に防ぐことは出来ませんが、感染しても症状が軽く済んで重症化せず、咳や痰により1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」が1未満と低く抑えられることによって、拡散拡大が抑えられるということはとても大切なことです。
新型コロナウイルスの「デルタ型変異株」は収束に向かっていますが、「ミュー型変異株」「ラムダ型変異株」が入り込んで来たら、ワクチン2回接種者でもほとんどワクチンが無効で感染することがあり、ワクチン接種は無意味だ、ワクチンで集団免疫は形成されないと考える方もいらっしゃるかも知れません。
しかし重症化しない、軽症で済んで回復が早いというのは、ワクチン接種の重要な意義でもあります。
これは何も新型コロナウイルスに限ったことではありません。
インフルエンザウイルスについても同様なことが言えると思います。